お話歳時記

おおかみ座の神話。

  おおかみ座は昔「野獣座」と言われ、十三世紀頃、星座になったそうです。

  このおおかみ座は、ギリシャ神話のリュカオーンと言われています。

  リュカオーンは、アルカディア王ベラスゴスとオケアノスの娘メリポイア、またはニンフのキュレーネーとの子とされ、アルカディア人の王として、多くの女から五十人の息子を得たとされています。

  リュカオーンは敬虔な王で、神々は彼の元へしばしば訪れていました。 しかし、彼の息子達は、父の元へやって来るもの達が神であるかどうか疑い、子供を殺し、その肉を混ぜて客人に出してしまいました。

  神々はこれを怒って、嵐を送り、雷霆で撃って殺してしまいました。

  別の神話では、リュカオーンとその息子達は、どんな人間よりも高慢不敬なものだったそうです。

  ゼウスは、彼らの不敬を試すべく、日雇い労働者となって近づきました。 リュカオーンと息子は、土地のものの男の子を一人殺し、その臓腑を混ぜて供しました。 ゼウスはこれに怒り、リュカオーンと息子達を、雷霆で撃って殺しました。

  この時、一番下のニュクティーモス一人だけ生き残り、その後、王となりましが、その時代に大洪水が襲って、すべて滅ぼしたとされています。

  この洪水は「デウカリオーン(Deukalion)の洪水」と呼ばれている、ノアの洪水と同形の話となっています。


  デウカリオーンは、プロメテウスとクリュメネー、またはケライノーの子で、エピメテウスとパンドラの娘ピュラーを妻に迎えました。

  ゼウスは堕落したリュカオーン、または青銅時代の人間を洪水で滅ぼそうとしました。 プロメテウスは、我が子デウカリオーンに忠告、デウカリオーンは箱船を建造し、必需品を搬入。 九日九夜、水上を漂流、パルナッソスに流れ着き、その時には人間すべてが死に絶えていました。

  デウカリオーンとピュラーは箱船から出ると、ゼウスに犠牲を捧げ祈りました。

すると、ゼウスはヘルメスをつかわし、「何事でも望みを叶える」と告げました。 デウカリオーンは人間が再び生ずる事を望むと、神は「母の骨を背後に投げよ」と答えました。 デウカリオーンとピュラーは、石を拾って背後に投げると、その石は男に、ピュラーの石は女となり、二人から、ギリシャ人の祖となる、ヘレーン、アムビクテュオーン、ブロートゲネイアが生まれたそうです。

  リュカオーンは息子達が殺された時、狼になったとも伝えらています。

  アルカディアのリュカイオスの山には、ゼウス・リュカイオスと呼ばれたゼウスのために、リュカイア(Lykaia)祭が開かれていました。 この祭りには人身御供に人間の肉が捧げられ、参加したものは人肉を食べ、九年間狼に変身するとされていました。

  そして狼になった九年間、人肉を喰わなければ人間に戻るとされていたそうです。

 人狼伝説は、洪水伝説が基礎になっていたわけです。