お話歳時記

八十八夜。

八十八夜。

  雑節の一つで、立春から数えて八十八日目の日。千九百八十五年から二千二十年まで立春が二月四日のため、その間は毎年五月二日になります。

  日本独特の暦日で、遅霜の時期でもあり、「八十八夜の毒霜」「八十八夜の泣き霜」「八十八夜の別れ霜」等と言われ、特に新芽を出して成長しつつある農作物にとってこの時期の霜は非常に害が大きいため、特別に暦に入ったとされています。

  もともと八十八夜は農事上の重要な節目で、古くから茶摘み苗代の揉み蒔きなどの目安とされていました。

  おなじみの「夏も近づく八十八夜♪」の歌は、明治四十五年の文部省唱歌(尋常小学唱歌)の「茶摘」で、京都の宇治田原村の茶摘歌をベースにしているとされています。

   また、この日に摘んだ新茶は上等なものとされ、この日、お茶を飲むと長生きすると言われ、八十八夜茶とも言われています。 正式には1684年官暦(貞享改暦)に渋川春海によって記載されたのが最初となりますが、1656年の伊勢暦には記載されている事から、それ以前から八十八夜の言い伝えがあり、それを雑節にしたのではないか?と考えられています。

  この日の行事は「水口祭り」と言われ、正月の粥占いに使った粥招き棒を苗代の水口に立て、それに種もみの残りで作った焼米をのせる風習が全国で広く行われ、焼米を鳥が早く食べる年は豊作だと言われています。

  また、卯月八日に山に行って採ってきておいた花を飾るところもあります。
  長野県などでは、この日に粥を炊いて田の神にささげます。また、新潟県佐渡では、桟俵(米俵の両端の円いふたの部分)を棒にさして苗代に立て、霜除けのまじないとします。


茶摘み。

                  文部省唱歌
           明治四十五年(千九百十二年)
          「尋常小学唱歌 第三学年用」
    一、
     夏も近づく八十八夜、
     野にも山にも若葉が茂る。
    「あれに見えるは茶摘ぢやないか。
     あかねだすきに菅の笠。」
   二、
     日和つづきの今日此の頃を、
     心のどかに摘みつつ歌ふ。
    「摘めよ、摘め摘め、摘まねばならぬ、
     摘まにや日本の茶にならぬ。」


五月の行事。

五月の行事とお祭り。

四月三十日〜五月六日 くらやみ祭 大國魂(おおくにたま)神社 東京都府中市営町
五月一日 メーデー
五月一・二日 春のどぶろく祭り(飛騨一宮水無神社例祭)飛騨一宮水無神社 岐阜県高山市一之宮町
五月二日頃 八十八夜(雑節)水口祭り
五月三日 憲法記念日(国民の祝日)
五月三・四日 博多どんたく(福岡市民の祭り博多どんたく港まつり) 福岡市 【問】福岡市民の余り振興会
四月五日頃 清明(二十四節気)
五月三〜四日 博多どんたく(福岡県) 潮干祭り(愛知県)
五月三〜五日 日立風流物(茨城県)
五月四日 国民の休日 五月忌み、女の家、ふきごもり、女の晩、女の天下(愛知県、徳島県、高知県など)
五月五日 子どもの日(国民の祝日)端午の節供(菖蒲湯、菖蒲打ち、印地打ち) 凧揚げ節供(神奈川県、静岡県など)神野山山のぼり(奈良県)
五月六日頃 立夏(二十四節気)
五月第二日曜日 母の日
五月中旬 三社祭り(東京都)
五月十四日〜十五日 神田祭り(東京都)
五月十五日 葵祭り(京都府)中旬土日をはさんだ一週問 神田祭 神田明神 東京都千代田区外神田
下鴨神社 京都市左京区下鴨泉川町 上賀茂神社 京都市北区上賀茂本山
五月二十一日頃 小満(二十四節気)
五月第三土〜日曜 浅草三社祭 浅草神社 東京都台東区浅草
五月二十五日 鶴岡化けものまつり(鶴岡天神祭)鶴岡天満宮 山形県鶴岡市神明町)
五月二十八日 曾我の曽我の傘焼まつり 城前寺神奈川県小田原市曽我谷津
五月二十八日頃 雨乞い祭り(埼玉県)